「うつ病」になる割合は女性の方が多く、統計によると男性の2倍にもなるそうです。
その理由としては、思春期、出産後、更年期に女性ホルモンの変動が激しくなることや、結婚、出産、育児等の環境や役割の変化がきっかけになることが挙げられます。
実際に、どのような時に女性は「うつ」になりやすいのでしょうか?
女性が「うつ病」になりやすい原因とは?
女性が「うつ」になりやすいきっかけとして考えられるのは、
- 仕事と家事や育児、介護などとの両立のよって心身ともに疲れきってしまう
- 出産をきっかけに仕事をやめ育児や家事に専念することでストレスがたまる
- 子育てに行き詰まっている
- 結婚や夫の転勤等で環境が変わり(都心→郊外など)引っ越し先の生活になじめない
- 夫がリストラに合った
- 夫が病気で倒れた
- 夫との関係がうまくいかない
- 姑との関係がうまくいかない
- 専業主婦で一日中家の中にいると孤独感に陥りやすい
等が挙げられます。
「産後うつ病」(マタニティー・ブルー)とは?
女性の「うつ」は、環境によるものの他に「ホルモンバランスの影響」も大きく関わってきます。
女性は、生理前、出産後、更年期等にホルモンのバランスが変わります。これが「うつ」のきっかけになることがあります。
出産後は妊娠中に増加していた女性ホルモンの分泌が急速に低下しますので、ホルモンのバランスが崩れます。出産後に軽度のうつ状態になることは、出産後の女性の約半数にみられるといわれています。通常は産後10日目ごろには自然に消えてしまいます。
10日以上続くような場合は、「産後うつ病」へ移行している可能性を考える必要があります。産後のホルモンの乱れに加えて、出産と育児の疲れ、子育てに対する強い不安や子供に対する興味の消失、あるいは「自分は母親として失格なのではないか」というような自責感が現れる場合があります。
「産後うつ」の状態を未治療で数年にわたって長引かせてしまうようなことになると、母子関係にも影響が及び、子供の発達に影響が出る可能性さえあります。
妊娠がきっかけで「うつ」になる場合、夫が妊娠を喜んでいない、信頼関係が築けていないというケースが多く見られます。なので、夫から心理的サポートを得られれば、「うつ」になる可能性を低くすることが可能です。
「更年期のうつ病」とは?
女性は、更年期になると卵巣機能が低下し、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が減少していきます。女性ホルモンの急速な減少のために、自律神経のバランスが崩れて心身共に不安定な状態になりやすく、それがうつ病にかかりやすい原因になっていると思われます。
子供が成人になり自立していくという時期にも当たり、環境や役割の変化がストレスになっているという社会心理的な側面も無視できません。
更年期障害の症状として、顔面のほてり(ホット・フラッシュ)、自律神経症状(汗をかきやすい、息切れ、動悸がするなど)、疲れやすくなったり、怒りっぽくイライラしたり、くよくよ考えたりゆううつになる、不眠になるなどが挙げられています。しかし、実のところ、これらすべての症状は、うつ病でもよくみられる症状なのです。ですから、更年期障害だけなのか、あるいはそれにうつ病が合併しているのか判断がつきにくいことがしばしばあります。
女性の「うつ」は「生理周期」と関係がある?
女性は、生理が始まる前に不快な症状に悩まされるという場合があります。
生理前に「うつ」の症状が現れることを「月経前不快気分障害」と言います。月経の始まる10日ほど前から、身心が不安定になるトラブルが発生し、生理を迎えるとおさまってきます。
「月経前不快気分障害」の原因については現在まだはっきりと解明されてはいませんが、有力な説としては、生理前に脳内のセロトニンが低下することがあります。
もう一つの説として、女性ホルモンのバランスの崩れがあります。月経周期の前半は女性ホルモンのエストロゲンの分泌量が増し、精神的に最も充実していて体も活発に動かしやすい時期ですが、排卵後の月経周期後半は、エストロゲンの分泌量が減り排卵後に卵巣にできた黄体から分泌される黄体ホルモンの影響で、精神的にゆううつになったり不安定になりやすいというものです。